英紙、ネイマールのW杯招集をブラジル代表による「メッシ効果」への執着と分析

カルロ・アンチェロッティ監督による背番号10の選出は、パフォーマンスよりも政治的・戦術的な「信仰行動」に近いと『ザ・ガーディアン』紙が指摘

英紙、ネイマールのW杯招集をブラジル代表による「メッシ効果」への執着と分析

国際メディアは、2026年ワールドカップに向けたブラジル代表の招集メンバー発表に対し、一斉に批判的な分析を展開しています。その中でもイギリスの有力紙『ザ・ガーディアン』は、カルロ・アンチェロッティ監督がネイマールを最終登録メンバーに滑り込ませた決断について、このスター選手を再び国家の期待の中心に据え置くための戦略的な動きであると報じました。同紙によると、この決定は前回のカタール大会でリオネル・メッシがアルゼンチンを悲願の優勝に導いた「ラストダンス」の再現を狙ったものですが、両者のコンディションやスタッツには決定的な違いが存在すると指摘しています。

同紙は、現在34歳となったネイマールの近年の負傷歴が、チームの野心にとって大きな足かせになっていると強調。今週新たにふくらはぎの筋肉を痛める前まで、彼が今シーズンに国内リーグでプレーした時間はわずか682分に過ぎませんでした。さらに、過去3年間で先発出場したリーグ戦がわずか27試合にとどまるネイマールに対し、メッシは前回のW杯直前までにパリ・サンジェルマンで公式戦18試合に出場し、10ゴールを挙げるトップコンディションで大会に臨んでいたという客観的な数値を挙げ、その差を浮き彫りにしています。

英紙、ネイマールのW杯招集をブラジル代表による「メッシ効果」への執着と分析

「ネイマール依存」の文化と、天才が背負い続けた象徴的なキャリアの足跡

『ザ・ガーディアン』のコラムは、イタリア人名将による今回の選択が、純粋なピッチ上での貢献度というよりも、一種の政治的な信頼への賭け、あるいは情状酌量に近いものであると示唆しています。欧州チャンピオンズリーグを何度も制した智将であっても抗えない、ブラジルサッカー連盟内部の政治的圧力や商業的背景が、このベテランの招集を後押しした可能性にも言及されました。

  • 過剰な期待の呪縛: 2010年大会後の世代交代期に18歳で代表デビューして以来、彼はメッシに対抗し得るブラジルからの「絶対的な回答」として祭り上げられました。その結果、チーム全体に彼への過度な依存体質が生まれ、組織としての成熟が阻害される結果となりました。

  • 戦術的な歪み: 同紙は、ネイマールを戦術の中心にはめ込むための歪みが過去の重要な局面で露呈したと回顧。例として、2018年ロシア大会の準々決勝でベルギーのロメル・ルカクに右サイドの背後を徹底的に突かれ、敗退したケースを挙げています。

欧州メディアによる検証は、自国開催となった2014年大会の準々決勝コロンビア戦で腰椎を骨折した悲劇にも光を当てています。当時、このエースの離脱はブラジル全土に「国家的な災難」とも言える絶望感をもたらし、その後のドイツ戦での「1-7」の惨劇へとつながる心理的崩壊を引き起こしました。彼のフットボールキャリアの全盛期は、やはり2015年にメッシ、ルイス・スアレスと共に「MSN」を結成し、バルセロナで欧州三冠を達成した時代に収束します。最終的に同紙は、フランス(PSG)への史上最高額での移籍はメッシの影から逃れ、バロンドールを獲得するための選択であったものの、結果として代表チームで「歴史を超越するような偉業」を達成する機会を遠ざける結果になったと締めくくっています。

情報源:The Guardian

英紙、ネイマールのW杯招集をブラジル代表による「メッシ効果」への執着と分析 — Gazeta Japan